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ドットエイト机上研究所

[NV200バネット]ストーマ保有者のための災害対応車 兼 キャンピングカー ついて検討してみた

早速ですが、NV200バネットはオストミーペイシェントのための「普段使いもでき、災害時には避難車両できる車」となるのか、検証してみました。
それでは早速確認していきましょう。

検討途中のため、内容は随時更新されます。
車両図面は日産自動車 NV200バネットの車体寸法図をベースとしました。
Web上の図は、縦横比などが微妙に異なっていたため、調整させていただいております。

外装ではヒッチメンバーキャリアとソーラーパネルを装備する場合を想定

まずは外観から確認しましょう。
使い方にもよりますので「必ずつけることを前提」とはしませんが、ルーフキャリア、ヒッチメンバーヒッチメンバーキャリアをつけた場合を想定しました。

ルーフキャリアをつけた状態でも、2.1mをわずかに切る値です。
2.1m以下ですと入場可能な立体駐車場も増えますので、ここは非常に評価できるポイントです。
100kgまで積載可能な純正ルーフキャリアを装着してみました。
今回はソーラーパネルしか積んでいないので、純正のルーフキャリアでなくても耐荷重的には十分なのですが、半面をソーラーパネル、半面に荷物を積むことを考える方も少なくないと思うので、この辺は価格やさまざまな使い勝手を想定しながらどのメーカーのルーフキャリアをつけるのが良いのか、検討すると良いでしょう。
サブバッテリーシステムを組んだりせず、ポータブル電源だけとして「ルーフキャリアをつけない選択とする」のも良いでしょう。この車、ルーフまわりの遮音性に少々難があるので、静かに乗る場合や2m以下というか1.9mにおさめるため「ルーフキャリアをつけない」という選択とするのはアリです。

車長が4.4mですので、リア側に10%分、0.44mまでのヒッチメンバーキャリアなどを取付けることが可能です。ヒッチメンバーキャリアをつけた状態でも4.84m以内とかなりコンパクトな部類。
最近のミニバンは5mに近い車も多いため、ヒッチメンバーをつけたままでも駐車場には困らないはずです。
なお、ヒッチメンバーキャリアつけた状態では車止めはアテにはできないという点だけは注意です。しっかりと確認して、ぶつけないように注意してください。ヒッチメンバーキャリアは丈夫ですし、ヒッチメンバーは(丈夫な部分を狙っていすが)シャシーにつけてますので、ぶつけた時の修理は予想以上にかかります。

ヒッチメンバー装着時、リアのランプやナンバーなどが見えなくなってしまわないように荷物を積むことが必須ですが、そこを考慮した状態で、45Lクラスのゴミ箱2つ(この手の業務用商品はふた別売りなので要注意です)と、小さめの9Lのプラスチックケースを積むことが可能と判断しました。これだけ積むことができれば、被災時でもしばらくの間はゴミ問題に悩まずに済むとでしょう。トランクを開けたくなっても、箱3つ降ろすくらいなら日常使いでも許容範囲かと思います。普段は空にしたまま横積みすれば、高さも気にならず安定性も増します。

ちなみに、飲食店をはじめ仕事でゴミ箱を使う方は、ゴミ箱の底にそのゴミ箱に対応した袋を常備し、交換時に探さなくてよいようにしています。キレイに使うためには、毎回丁寧にゴミ袋をセットする必要もあるため、無意識のうちにキレイに使う習慣も付きますので。

一般的な車中泊車のDIYでは、PC用などのファンを窓部につけたり、ドアの上からかぶせてしまうネットを利用した網戸を備え換気することが多いのですが、特にストーマルームは別の方が就寝中に使うことも想定する必要があるため、車検に対応可能な寸法の変わらない範囲で左右に計3か所、ステンレスルーバーを取付けることを想定しました。うち1つはポータブルエアコンの排気口のため、ポータブルエアコンを冷却源としない場合は開口部を2つに減らすことも可能です。室内側にはキャンピングカーに使われる換気用のファンと蛇腹ホースを取付け、強制換気をする想定です。後方2か所で排気し、空気は就寝スペース側からストーマ交換トイレ室側に流れるので、ニオイの心配はしなくてよいという算段です。

ポータブルクーラーはヒーターとしても使える仕様の製品で検討しております。少々値が張るのですが、車中泊車で採用される有名メーカー製のガソリンを使用するヒーターを取付けるよりは安く、暖房も冷房も可能な機種を選定しているのがポイントです。
ちなみにガソリンを使用するヒーター、夏場でも性能維持のため月1回程度使用しないといけません。
また、振動なども考慮する必要があり、中国製の安価な商品をDIY取付するのは、正直お勧めできません。ガソリンタンクのホースから燃料分岐するのも怖いですし、かといって燃焼のサブタンクをつけるのも、車検を考えると結構難儀です。(DIYしている動画を見ていると、車検時に指摘されたらアウトな取付方を紹介しているもの、案外多いです。
しっかりと条件確認せず「つく・つかない」だけで動画作るなんてリスクでしかないと思うのですが、思込みや知識不足って怖いですね。

災害時にはストーマ交換室(トイレ)を使える状態で就寝スペースを確保できるのか

今回の首題です。図面が完成したら、DIYのために「中央から運転席側」「中央から助手席側」や「床のみ」「サイドガラスより下」「上方」と、もう少しわかりやすく階層化した図面を用意しますが、今回は「まずは上下関係を考慮したうえで詰め込めるのか」に集中した図面が出来ましたので、先行紹介いたします。

4ナンバーのまま車検を通せる範囲で、何かあったとしてもラゲッジユーティリティナットで固定しているネジを外してパネルを外すだけでメンテナンスや車検が受けられる構造で、可動式仕切り板とサイドパネルだけを使用してトイレスペースとそれ以外のスペースを分けることができるのか、確認しました。

NV200はリアホイールハウスが上下方向には200mm強飛び出しているものの、その状態でホイールベース間が1220mmもあることから、トイレスペースは長さ方向1180mm確保することが可能です。また、出入口パネルを3枚、1枚当たり388mmとすると、出入口はトイレスペース側に開くように開く構造にしつつ、通常使用時は壁側に収納させることが可能と分かりました。この構造、車種により1枚当たりの出入口パネルサイズとサイドパネルサイズを変更することで、多くの車両で流用できる構造を考えました。

車両に新設する素材は、不燃物にする必要があります。

道路輸送車両の保安基準の細目を定める公示【2005.11.09】別添27(難燃材料の難燃性の技術基準)資料内では、不燃材の適用範囲について、「1.適用範囲」は「運転者室及び客室の内装材料に適用」と記載されています。
客室にかからない今回の新設サイドパネルは不燃物条件を満たすことは必須ではないのですが、この条件が生まれた背景を考慮すると、全体的に不燃物としておいた方が無難です。
「厚さ3mm以上の木製の板は難燃材としてみなす」とされていますので、強度や見た目も考慮した結果、新設したサイドパネルは厚さ20mmのウォールナット集成材を想定することにしました。厚さが20mmになったのは、注文のしやすさです。木材の価格は全体的にあがっているので、集成材を選んでおります。こちらの商品を参考にしましたが、このサイズでオーダーできれば、購入場所は近所の材木店でも、ホームセンターでも構わないです。カットは自分で行っても良いと思いますが、板が反ることを防ぐためにも、幅770mm以上長さ1350mmの板2枚か、同サイズの取れる1枚板を購入してカットすることを強く推奨します。板を接ぐのは、材木屋の祖父から色々教えてもらった経験のある私であれば、自分では絶対にしません。カットは簡単だと思いますがね。
木材の強度が気になる方は「天板の耐荷重計算ツール(厚みから耐荷重を算出)」という素晴らしいサイトが公開されておりますので、こちらで確認するのが良いでしょう。人がのったり寄りかかってしまう可能性のある場所ですので、強度は大事だと思っています。

出入口兼の折戸壁も、20mmの木材で一旦設計しております。重量の都合上、可能であればアルミ複合材の検討をしたいところですが、自動車用には使えない建築用の許可のみのモノしか見つかっておらず、代替品の選定には至っておりません。
積水樹脂プラメタル様の不燃断熱パネル(不燃DP)の国土交通省 不燃材料認定品や、三菱ケミカルインフラテック様のアルポリックの国土交通省認定 不燃材料・準不燃材料としての認定は、どちらも建築素材としての認定ですので、自動車には使用できません。
複合版ではないアルミ板は、厚さ3mm以上の木材と同様に難燃材としてみなすことになっているので、創建様などの見切り材は存在するのですが、パネルが見つからないのが困ったところです。

なお、すべての難燃材が登録されているのかはあくできていないのですが、参考となる情報として日本自動車車体工業会様が難燃性内装材などの情報を公開して下さっておりますので、こちらも合わせて参考にするとよいと思います。
ただし、登録されている素材であっても、「難燃材としてみなすことになっている銅板、アルミ板、FRP、厚さ3mm以上の木製の板(合板を含む)、及び天然の皮革」を除く難燃・不燃材は、購入時に証明書を発行してもらい、車検のたびに確認できるように(新規登録時だけではなく、継続時にも必要です)準備しておくことが必須ですので、購入時に忘れずに証明書を発行してもらいましょう。

重量を気にしているのは、小型車(4ナンバー)であれば車検時の重量の誤差は±50kg以内でないといけないためです。ちなみに普通車(1ナンバー)であれば±100kg以内でもう少し余裕があるのですが。
内装材だけでなく、積み下ろし取外しをしないものすべてで±50kgですので、ルーフキャリアを外さないならその重量も含みますので、油断していると案外すぐ50kgは増えてしまうのです。車検時に外せばよいんですがね。

新設パネルの裏には、発火事故が起きにくいとされているリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使用したサブバッテリーと、日動工業様のひえポカやんを設置します。ひえポカやんはAC100V専用ですが、冷暖房兼用のスポットエアコンです。

上部、サイドウィンドウ部の凹部には、トイレットペーパーホルダーと、非常に小型に収納できる折り畳み式?引き出し式?の椅子など収納できるように加工します、椅子を収納する側は作業台を兼ねる蓋を設置します。普段、トイレスペースを使用しない場合は折戸を畳み、作業台を展開して食材の下ごしらえやカセットコンロを使用した調理を楽しめるように考えています。まな板・調味料入れ、包丁、鍋、やかんの収納場所などを追加検討中です。

冷凍冷凍庫は、工具メーカーのバッテリー式のものを検討しております。HIKOKIのコードレス温冷庫や、マキタさんのものがあります。マキタさんのほうがコーヒーメーカー、テレビやラジオ、電子レンジなど商品充実しています(現在私が使用しているバッテリー式工具もマキタさんの方が多いのです)が、現在のところHIKOKIさんのコードレス温冷庫のほうが個人的に選択しやすい印象です。この辺はお好みで選んでください。ほか、ガス炊飯器、排水設備などどのご家庭でも必要になりそうなもののほか、我が家の猫様のためのトイレなどを選定中です。

給水タンクとポンプも考えましたが、災害時には折りたたみのできるソフトなタンク、普段はローリングストックしやすいペットボトルの水のほうが良いかと考えております。長時間熱いところに水を置くと、容器のプラスチックが溶けだしてしまわないかなど心配される方も多いでしょうし、衛生管理(定期的にミルトンなど赤ちゃんの哺乳瓶を洗浄するための洗浄剤を使って洗うなどが必要)も結構面倒なので。

運転席シートと助手席の間には、センターアームレストドアにもアームレストをつけようかと考えております。
ウォークスルーできるように考えると取り外しができる商品です。我が家の場合は、猫様が鎮座するスペースにもなります。

普段使いする際に荷物が車両にすべて収まるのか

作成したベッド用パネルなどが普段は折りたたんだり取り外した時に収納して走行できるのかも確認中です。今回、出入口兼折り畳み式のトイレ部仕切り板も作っており、その厚さのためにベッド用の板が納められる場所にも制約があったりするので、こういった細かな検証は非常に重要です。ここから先、細かなものを積んでいった状態で日常使い出来るような買い物かごを置くスペースなどが確保できるのか、並行して継続検証していきます。

また、車両の外装は最低限のDXグレードでも十分である(乗用車のようにカラーのバンパーではなく素材の色のままのグレーであったりする)と思いますが、長時間過ごす車内には、ヒートシーターも欲しいですし、見た目が大変変わりますので合皮製のシートカバーも欲しかったりします。この辺の製品情報もこちらに追記予定です。

近日追加のアップデート情報を公開しますが、まずはここまでの情報だけでも参考になればと思い先行公開しました。引き続き興味を持って、次の情報公開をお待ちいただけると幸いです。
それではまた後日!

【参考情報】
NV200 車内に折りたたみテーブルをDIYして取り付けました | リッツキャンパー (ritzcamper.com)
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