以前、フードトラックやキャンピングカーなどは、LPガスの販売を拒否されるケースがありました。
フードトラックを運営していたころや、フードトラックの製作に携わっていたころには、「遠くのイベントに出店できなかった」であったり、「ガス屋さんが見つからないために開業が大幅に遅れた」などの話を聞いた事がありました。
ガス会社さんも意地悪していたわけではなく、
により「ガス事故発生の際には、ガス販売会社から30分以内に現場に到着できること」という、経産省からの通達（「30分ルール」と呼ばれています）があり、遠方でのフードトラックの出店やキャンピングカーでガス事故が起きてしまった場合にガス会社さんが対応できないことから、充填や販売を断わらざるを得なかったのでした。
しかし、2022（令和4）年7月15日に法改正が行われルールが緩和され、
『「質量販売緊急時対応講習」を受講し、緊急時に必要な措置を自ら行うことについてLPガスの販売契約を締結したLPガス販売事業者の確認を受けるという代替措置を取る場合に限り、30分ルールの対象から除く』
簡単に表現すると、質量販売緊急時対応講習を受講し、修了証を持っている場合に限り、30分ルールが免除されるようになったのです。
※一般家庭や企業で契約・使用する際に「質量販売緊急時対応講習」がなったわけではなく、今まで通り契約・使用できますのでご安心ください
キッチンカーやキャンピングカーのためにLPガスを契約するためには、あらかじめ質量販売緊急時対応講習を受講して修了証を受け取ることが最低条件と言っても、過言ではありません。
カス会社さんには、質量販売緊急時対応講習の修了証を受け取っていることを伝えたうえで、相談をはじめてください。
なお、質量販売緊急時対応講習の修了証を受け取っている場合でも、フードトラックやキャンピングカーへの販売を断られる場合があります。ガス事故が起きた場合には販売したガス会社にも調査が入るため、慎重にならざるを得ないという事情があるためです。質量販売緊急時対応講習の受講はあくまでも「30分ルールを免除するためのもの」で、修了証を持っているから必ず契約できるわけではないことを理解してください。
「質量販売緊急時対応講習」を受講できるガス会社
2024（令和6）年1月の時点では、「質量販売緊急時対応講習」を受講できるガス会社は
- イーエルジー株式会社 さん
- 公益社団法人千葉県LPガス協会 さん
の2カ所です。ただし、どちらもオンライン（Zoom）での受講を実施していますので、全国どこに住んでいても「質量販売緊急時対応講習」の受講は可能です。
受講の流れなどについては、各サイトで確認しましょう。
「質量販売緊急時対応講習」修了証の有効期間
「質量販売緊急時対応講習」受講後に受け取る修了証の有効期間は5年間です。
5年経過する時点で再受講する必要がありますので、忘れないようにしてください。
参考情報
質量販売緊急時対応講習 （METI/経済産業省）
このサイト内に、最新の更新実施者情報が掲載されています。
保安業務に係る技術的能力の基準等の細目を定める告示等の一部改正について（キャンピングカー等に係る30分ルールの代替措置）（METI/経済産業省）
法改正により緩和された内容が紹介されています。
【認定液化石油ガス販売事業者制度】安全な配送供給が許されている範囲・距離について｜コラム｜プロパンガス協会 (propane-gas.jp)
30分ルール関連の情報の中には、「20～30km」というキーワードが紹介されているケースがあります。
「20～30kmってどこから出てきたの？」と気になった方は、こちらのサイトをご確認ください。
認定液化石油ガス販売事業者制度 (meti.go.jp)
「質量販売緊急時対応講習」の修了証を持っていれば無関係な情報ですが、
以前はお願いするガス会社さんによって、対応できる時間？距離？が違っており、その根拠になるゴールド保安認定事業者（第一号認定LPガス販売事業者）と保安認定事業者（第二号認定LPガス販売事業者）の情報がのっています。気になっていた方だけどうぞ。
保安認定事業者（第二号認定LPガス販売事業者）は「原則として３０分以内に到着とされている緊急時対応の要件の緩和→ ４０キロメートル以内を同要件に適合しているとみなす。」
ゴールド保安認定事業者（第一号認定LPガス販売事業者）は「原則として３０分以内に到着とされている緊急時対応の要件の緩和→ ４０キロメートル以内を同要件に適合しているとみなす。」「追加特例①：緊急時対応の要件の更なる緩和→ ６０キロメートル以内を同要件に適合しているとみなす。」