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ドットエイト机上研究所

ストーマ保有者のためのDIYキャンピングカー ベース車両についての検討

ストーマ装具を交換できる車両について、ここではベース車両に関する検討とその結果についてまとめていきます。

2024年3月29日に、後日追加更新予定ですがNV200バネットに関する詳細検討ページを公開しました。
2024年3月27日に、本ページ内にNV200バネットの図面を用意しました
細かな希望などは別の記事にまとめているのですが、検討のための前提条件として必要な情報についても、ここでは紹介しておきます。

なぜ「ストーマ交換ができる車」が必要だと思うようになったのか

災害時に、「避難所生活できる」のであればそうするのがよいのですが、例えば「令和6年能登半島地震」の状況を振り返ると、大きな問題としてトイレに関する問題が取り上げられていました。
おしりとは違い「我慢する機能がない」ストーマの生活では、急にトイレが必要になるタイミングが結構あるのです。

ストーマ装具からの老廃物の排出は「トイレットペーパーで拭いて終わり」のおしりとは異なるもので、トイレットペーパーで拭くことに加え、状況によって赤ちゃんのおしりふきのようなものも併用します。トイレットペーパーの使用量も多いため、災害時には他の方に迷惑をおかけしてしまうと予測できます。

ストーマ装具は、長く使おうとしても1週間までいかないうちに面板がお腹から剥がれてしまいます。通常は、3~4日に一度の交換が必要です。ストーマ装具の交換は、水を使わずに行うことも可能ですが、ガーゼ、水を使わずにきれいにできる清拭料(洗浄料)、赤ちゃんのおしりふきなどを併用して、きれいにする必要があります。

パーソナルスペースがあれば、周りを気にせずに装具の交換もできますが、想定しているのはスペースの限られる避難所。
そんな状況下で、誰もが使いたくなるようなグッズを色々と取り出して装具を交換するのは、精神的に厳しいと想像せざるを得ません。
もちろん「ストーマ造設者には必要なものなのです」と説明できますが、あらゆるものが少ない中で(自分のものとはいえ)「トイレットペーパー」「赤ちゃんのおしりふき」「ガーゼ」を使用するうえに、入浴の代わりもになる「水を使わない清拭料(洗浄剤)」まで使うのです。

以下は、内容的にこっそりと。ちょっと驚くような経験なのですが、オストメイトになって2年弱という比較的短い時間の中で、

  • ごく日常の状況の大規模な総合病院で、具合が良くないのに静かに待っている患者もいる(私が通っていたのは腫瘍内科ですが、他の内科も同じフロアなのでそのエリアには様々な症状の患者さんが待っている)中、「私のことだけだけ早くしろ」「他のやつのことは知らないけれど、私はもう1時間も待っているんだから誰よりも先に対応して当然だろ」と元気に無茶を繰り出す自分勝手な阿呆老人を多数見かけたり(「特定の数人だけ」ということではなく、別の日にもまた同じことを言い出す別の人がいたのは、ホント驚きました)
  • とある施設の、オストメイト対応設備もある多目的トイレが空くのを待っていると、「子供がいるから私が優先」と割り込んできた上に、
    「あなたは何故このトイレが必要なんですか?子供がいるから私の方が優先で当然なんです」「オストメイトだったら、きれいにするものを持ってますよね」「実は、子供に使えるおしりふきのようなものも持ってたりしますよね」「子供がいる私が困っているんだから、そのおしりふきを使わせるのが当然です」
    と、何故か無駄に知識があって、しかもとんでもなく図々しく振舞う勘違い暴走ママに遭遇してしまったり

と、「実は日本って自分だけよければ何しても良いと考える人が多いの?」と感じてしまうような経験をしてしまったんです。
(それぞれ別の県とはいえ、比較的近い地域の中ではあるんですが)

病院で長時間待っている話のほうは、混んでいて診察が遅れているわけではなく、「検査結果が出るのにどうしても時間がかかってしまうので待ってもらっており、無理言われても何の意味もない」ということを後から病院の方に聞きましたし、

ママさんが出没したのは、日本人でなくても名前を知っているような大都市で、オフィス街にも近く掃除も行き届いた、常識的に考えて治安が悪いわけのない公共的施設でした。「子供がいる外出なのにそれにしては荷物が異常に少ない」という違和感こそあったものの、見た目は比較的余裕のありそうな方でしたし、一見すると常識的な服装の方だったのです。

しかしながら、ちょっと常識的には考えられないような人と遭遇する体験を短い期間のうちにしてしまったため、「追い込まれた状況での助け合い」というのを信じられなくなったというか、ちょっと人間不信気味になってしまったのです。
(「作り話だろ?」と思われても仕方のない話ですので、信じてもらえなくても当然かと考えます)
偶然、地域的に自分勝手な人が多いところばっかりだったのかもしれませんがね。

今はそんな地域を離れ、まわりは穏やかな人ばかりで「あの人たちと同じ日本人なの?」と言いたくなるような東北の田舎に引っ越しており、
災害時にも前述のようなビックリ人間に遭遇することは無いと感じているのですか。

話が脱線してしまいましたが、色々な経験をしてしまったために、
被災してしまった方が多数いる状況でストーマ造設者が迷惑をかけないように生活するためには、「車の中に避難するしかない」と考えるようになったのです。
また、車の中で避難生活するためには「水を使わないトイレスペース」が必要不可欠だと考えるようになったのです。
加えて、我が家には私が病気になる前から生活している猫もいます。猫と一緒に避難生活することも、考えなければならないのです。

以上のような経験から、「普段使いもでき、災害時には車で避難生活できる車」が必要だと考えるようになったのでした。

とりあえず大雑把に必要なものを整理

ここまでの情報から、「ストーマ装具の交換が可能な、トイレ相当の空間と設備が必要」「就寝スペースが必要」ということを把握していただけたと思います。
続いて、車両検討に必要な情報に焦点を絞り、もう少し条件を整理していこうと思います。

ストーマのある生活を始めると、突然トイレに行かなければならない状況が想定されるため、決められた時間に移動が必要となる公共交通機関の利用に少々抵抗を感じます。
さらに地方在住になると、そもそも公共交通機関自体が少ないため、可能な範囲ほ自分の車で移動する生活が当たり前です。そのため、「車は日常使いできることが必要」です。

運転可能な距離の範囲ではどこでも車で移動するので、外出先で災害に遭遇する可能性も想定しなければいけません。治療のことを考えると、車で戻ってくることも当然考えなければいけませんので、キャンピングカーのような大きさというか、高さのある車は不便。いわゆる「5ナンバー4ナンバーサイズにおさめることが必要」です。同時に冬季のことを考えると、「最低FF、できれば4WDの車であることが必要」です。

車は日常使いしますので、高速など有料道路での移動も行います。ありがたいことに、身体障害者手帳を持っていると有料道路を割引料金で走行できるのですが、対象となる車種要件には
乗用自動車:自動車検査証等の「用途」に「乗用」と記録されているもので、乗車定員10人以下のもの
貨物自動車:自動車検査証等の「用途」に「貨物」と記録されているもので、後部座席が設置され乗車定員が4人以上10人以下のもののうち、乗車設備と荷台に仕切りがないもの又は乗車設備と荷台が仕切られているもので最大積載量が500㎏以下のもの。
特種用途自動車:自動車検査証の「用途」に「特種」と記録されているもののうち、「車体の形状」欄に「車いす移動車(身体障害者輸送車)」、「患者輸送車」又は「キャンピング車」と記録されているもので、乗車定員が10人以下のもの。
(以下省略)
と定められています。
ストーマ装具の交換スペースを設けるのは、ミニバンやワゴン車でも難しく、配達などにも使われる商用のバンをベースとすることになります。日常生活で使うことを考えても「2人乗り」では難しいと判断できますが、車種要件から、「4~10人乗り」の車が必要です。スペースを考えると2人乗りの商用バンを検討対象に加えたいところですがそれが叶わないので「4人乗りの軽バン軽ワゴン」「5~9人乗りの小型バン」に検討対象が絞られます。

大雑把に「トイレ相当の空間」と記しましたが、住宅用のトイレを調べると「幅700mm以上、長さはトイレ設備を除くと400mm以上」が最低限とわかりました。ただし、長さについてはトイレでストーマ装具を交換することが想定されていないので、追加検討しました。
幅700mmは、「日本人男性の肩幅の平均値が~500mmの範囲内にある(当然身長によって違いますが、190cmの身長の人でも平均500mm以下らしいです)」という結果に由来しているようです。
そのため、長さは設備を除き500mmが最低条件、できれば幅と同じ700mmとしたいと考えられます。
今回のトイレ設備は水を使用しないものですが、現在考えている機材の長さは500mm弱です。
以上の結果をまとめると、「トイレ相当の空間は幅700mm以上、長さ1000mm以上が最低条件で、できれば長さ1200mm以上であることが必要」とまとめられます。

就寝スペースについては、特種用途自動車の構造要件の「キャンピング車(610)」を参考にします。キャンピング車を作るのではないので、その値に従う必要はないのですが、詳細に検討されていますのでその結果を流用します。「長さ1.8メートル、幅0.5メートル以上の就寝スペースが必要」となります。

動力源については、ガソリン・軽油・LPG・CNGを使用する内燃機関(ハイブリッド車は今回ここに含む)のほか、燃料電池、バッテリーEV(BEV)などが考えられます。
LPG・CNGを利用するように改造事業者により改造された車両は除外、
スタンドが非常に少ない水素スタンドが必要な燃料電池車は除外、
災害時の復旧状況を想像すると復旧に時間のかかりそうなBEVは除外
することとし、ガソリンまたは軽油で動く車を対象に検討するのが適切と考えます。

ここまでの検討から、以下の条件を満たす車を検討対象とするべきことが整理できました。

  • 4人乗りの軽バン軽ワゴン、または、5~9人乗りの4ナンバー小型バンであることが必要
  • FFまたは4WDであることが必要
  • ガソリン、または軽油を燃料とすることが必要
  • トイレ相当の空間は幅700mm以上、長さ1000mm以上が最低条件で、できれば長さ1200mm以上であることが必要
  • 長さ1.8メートル、幅0.5メートル以上の就寝スペースが必要

2024年3月現在で発売されている車の検討結果

スズキ エブリイ・エブリイワゴン / 日産 NV100クリッパー・NV100クリッパーリオ / 三菱 ミニキャブバン・タウンボックス / マツダ SCRUM VAN(スクラムバン)・SCRUM WAGON(スクラムワゴン)

ダイハツ ハイゼットカーゴ・アトレー / トヨタ ピクシス バン / スバル サンバーバン・DIAS(ディアス)

以上2車種の軽バン・軽ワゴンについては、まとめて紹介します。
トイレ相当の空間を後方の貨物スペース(トランク相当スペース)に設け、就寝スペースは運転席・助手席を倒しつつ後部座席のスペース使用し、何らかのベッド化キットを自作することができないかを検討しました。

一旦「本当にシートアレンジができるのか」という点に目をつぶって検討したのですが、ベッド長を多少縮めることを許容するなど、あちこちを少しずつ狭く短くすること許容したとしても、寸法的にギリギリアウト。もう少しリアルに板などで空間を仕切ろうとすると、さらにその厚さ分だけ寸法が足りなくなることから、「希望のスペースを軽バン軽ワゴンにおさめることができない」と判断しました。

車検時以外はリアシートは常に収納した状態とし、縦長に空間を分け、半分は常にベッドスペース、残り半分をトイレスペースにする方法も検討しましたが、簡易的に記載した条件以外の装備まで考え出すと、全く空間が足りません。

日常使いを2名乗車に限定しても、空間作るのが精いっぱいでした。これらの軽自動車は、特に冬期の避難先として使用するのは無理と判断しました。
価格が安いので魅力的だったんですがね。残念です。

ホンダ N-VAN(エヌバン)

同じ軽バンでも、ホンダのN-VANは助手席までフルフラットにすることが可能です。
災害時の移動は、運転席側前後に2人乗車(タンデム状態)と割り切り、助手席側にベッドスペース、災害時は後部座席の運転席側と貨物スペースを簡易的に区切ってストーマ交換スペースとする方向で考えました。

2名乗車のみに限定すれば、他の軽バン・軽ワゴンとは異なり、貨物スペースの助手席側部分に記載以外のものを載せることもできそうです。頑張れば、ベッドスペースを2段にすることも何とかなりそう。
有料道路割引条件の車両要件についても、具体的に乗る人数では無く車検証上に記載されている人数が基準ですので、その部分も問題ありません。

災害時の空間づくりには相当手間がかかりますし、普段4名乗車を実現するために「空間づくりのためのパーツを貨物スペースだけにおさめるように設計して製造するのは非常に難儀すること間違いないですが、他の軽バン・軽ワゴンとは違い「まだ空想できる可能性がある」のはすごいことだと思いました。
実は、N-VANは最も下のグレードでもクルーズコントロールがついていたりします。装備が意外に充実しているのも隠れたグッドポイントだったりします。

しかしながら、N-VANには日常使いの際、「助手席・後部座席の座り心地が絶望的に悪い」という結構致命的な欠点があります。
助手席はそれでも、少し肉厚のシートカバーをかぶせるとまだ座れます。所有したことは無いのですが、試乗車兼試作車として長期間にわたって乗っていたので、「3時間まで移動+休憩」を繰り返せば、何とか移動できるとということは、体感しています。しかし、後部座席はバックレストが垂直で、どれだけ頑張っても街中のチョイ乗りにしか使えません。
「日常使いも2名」と割り切ることができる方であればベース車両にできる可能性はありますので、どこかのタイミングでは図面を起こすところまで検討しようと思います。ただし、以上の理由から検討優先度は下げようと思います

トヨタ タウンエース バン / ダイハツ グランマックスカーゴ / マツダ BONGO VAN(ボンゴバン)

軽自動車より車体が大きいので「一見何とかなりそう」に思ったのですが、軽バン・軽ワゴンと比べると、ひとつ致命的な問題があります。後部座席、降りたためますが収納ができないんです。
そのため、頭の中で簡易的に想像するのが難しく、図面での確認中です。

後部座席の乗り心地も期待できません。運転席・助手席は市街地を走る程度なら許容できますが、地方の1車線有料道路、路面管理最低限だと、結構疲れます。軽とほとんど変わらない。
運転席はレカロに変えたり、後席は大胆に「キャンピングカー用に販売されているシートアレンジが可能なシートに交換してしまう」「シートの背中側だけ、高さを延長するマットを取付ける」などの方法が考えられます。
しかし、シートを交換してしまうと今度はトイレスペースとベッドスペースをどのようにとるのか、
・フラット化した状態にして後部にトイレスペースを設けるとベッド長が300mm以上不足し、
・運転席側か助手席側に縦方向にトイレスペースを設けると1人分の就寝スペースしか取れない。
・2段にするには高さが不足。
という問題があります。

軽自動車よりは目をつぶる項目が少なくなりますが、シートアレンジが案外難しいという点では、積極的にベース車両に選ぶのが難しい車種であることもまた、確かです。要件を満たそうとすると「就寝1人」となる可能性が高く、これをどう考えるかにより、ベース車両とするかしないかが決まるはずです。
日産NV200バネットと同じ手法でレイアウトできないか、あるいは前述の通りの縦レイアウトで2名就寝を実現できないかなど、図面レベルでの検討を進めて、近日公開予定です。

日産 NV200バネット

2024年3月29日に、後日追加更新予定ですがNV200バネットに関する詳細検討ページを公開しました。

NV200バネットは「候補になり得る」という検討結果でした。以下は、簡易的な検討結果の図面。

トイレスペース立面図、上方がインチキですが、何とかなる空間確保出来ることは確認できました。普段の宿泊ならトイレは車内のものを使わないはずなので、この空間は折戸展開せず、机スペースにするか、調理スペースにするか、ベッド長めにするかでしょう。多分、運転席助手席を使わず、ベッドスペース展開するんでしょうね。

そう言ったところの作り込みがまだまだなのですが、災害時にも何とかなる事がわかったのは本当に良かった。ベース車の本命は、NV200という事になります。
それがわかったところで、車の方の紹介にうつりましょう。

悪い点から紹介すると、4WDが残念なくらいお値段が張ります。また、4WDはバンのみの設定で、執筆時点では最上級のGXとベーシックなDXのみの設定。
ワゴンに4WDがあれば、見え方が変わるのですが、少し頑張ればハイエースやキャラバンが見えてくるくらいの価格なってしまうんです。NV350の4WD、一番安いのは再低級グレードでは無く、標準幅ハイルーフガソリンの中間グレード「EX」。このグレードだと、後席シートだけ上級のモノをつける絶妙なオプションが無いようなのですが、執筆時点での価格差は、NV200のGXとNV350のEXとの価格差498,300円。
NV200のDXにセカンドシート上級のモノをつけたものとNV350のEXとの価格差669,900円。「NV200 DX+上級シートOP」の2,626,800円をどう捉えるのかが、検討するうえでのポイントになります。
ワゴンモデルには、「5人乗り」と言うトイレスペース確保出来る絶妙なレイアウトのものがあるので魅力的なんですけどね。FFも許容範囲ではありますが、それならFFのDXグレード選んでしまいます。

少々設計が古いこともあり、車内は結構ノイジー。細かな振動を割と積極的に拾ってしまう悪癖もありますが、某車のように「自分では買いたくない」と言うほどまでひどい出来でもなく、許容範囲であることも確かです。
ノイジーな代わりと言っては何ですが、案外よく走ります。
そういった意味では、ベストではないけどベターチョイスではあるとも言えます。

ルーフ側の遮音性が低いため、ルーフキャリアを使うなら慎重に選ぶ必要があります。結構音を拾ってきます。ルーフからの「ゴーッ」という音を聞いて「デフなど下回りに不具合が出てしまったのではないか?」と勘違いするくらい(この時の勤務先は自動車の架装を行う企業で、業界長く車に関する知識も豊富な社長ですら気になるくらい、です)。
その代わりに、純正なのに100キロまで積載可能なルーフキャリアが設定されています。そのため、ルーフテントを載せて使うくらい、問題ないでしょう。

と言うように、この車はデメリットはあるけどその分メリットもあるといいますか、「割り切りの塊」のような車。ハマる人であれば案外納得して購入できる車でもあります。
DXグレードを「移動事務室車仕様」に改造したデモカーを相当な時間使わせていただきました私の感覚は、「ルーフキャリアだけは悩むけど、DXグレードでも大満足」です。オーディオは少し凝りたいですが、あとはベーシックなDXでも満足度高いです。

そういえば、この車のスライドドアに「キャンピングカー用の後付けハッチ?ドア?」をつける架装実績もあります。ポータブルエアコンの排気口用です。
空想と言いながら、この車に関しては結構具体的イメージができております。

運転席・助手席のシートも割とよくできており、意外に疲れません。
高速を長距離走るのも苦ではありません。
比較対象を「現代のミニバン」に設定すると、そりゃぁ「リラックスする乗り心地」という観点では差がありますが、この車にもワゴンモデルが設定されているくらいですので、長距離疲れずに走ると観点でならば結構高評価、十分合格点です。少なくも、「買ってもいい」と思います。

シートアレンジについては、この車のバンには2人乗車仕様がありますが、2名乗車仕様では今回要件を満たすことができません(有料道路の障害者割引を適用したいため)。
5名乗車仕様にすると、タウンエースバン等と同様にシートを収納することができず、メーカーで販売されている標準状態では、レイアウトにタウンエースバンと同程度の制約があります。かといって、サードパーティ製のバタフライシートなどをつけるほどお金かけるメリットも感じないんですよね。メーカーOPの上級リアシートで十分な気がするので。

しかし、サードパーティ製ですがこの車には運転席・助手席を回転させる部品が販売されています。
回転対座状態にして、「運転席・助手席の座面+後部シートを折りたたまず倒しただけ状態」にすると、2名分170cm強のベッドスペースを確保できそうです。
ベットスペースの脚を作り、運転席助手席と後部シートと自作の脚の上に、ベッド用の板を渡す感じになります。
ちなみに、回転対座シートとしない場合、運転席のリクライニングはサイドウィンドウくらいの高さまでになります。そこにベッド用の板を渡すと上図のレイアウトになるのですが、それでもベッド上に50cmくらいの高さは確保できそうです。上図のベッド長は180cm弱ですが、200cmほどまでは確保できそうです。回転対座の場合は、長さの確保は多分180cmが限界ですが、その分上側に大分余裕が生まれます。どちらをとるか、悩ましいところです。

そういえば。ちなみに回転シートの操作、結構重いし面倒です。なので、自分で買うなら回転させずにリクライニングだけにするかな、と思います。
ベッド使う時間よりのってる時間の方が圧倒的に長いですし、ベッド下を広大な荷物スペースとして活用できますから。

後部シートの乗り心地については、メーカーOPのシートをチョイスすれば、割とまとも。
5名乗車のワゴンモデルを選択すれば、乗り心地などはバンの上級グレードとほぼ一緒ですが、リクライニングまで可能なシートになります。ワゴンモデルは車検2年(初年度は3年)なのも魅力的ですしね。
やっぱり、ワゴンで4WDが欲しい。

中古車両まで考えると選択肢は豊富です。そして何より、ベストではありませんが現実的に最も手を出しやすいベターな車です。制約はありますですが、コストを考えると案外良い机上研究車ができそうな感じになってきました。

トヨタ ハイエース バン / マツダ BONGO BRAWNY VAN(ボンゴブローニイバン)

ハイエースは本命の位置付け。好みでキャラバンにするかハイエースにするか決めれば良いかと。

あっさりしてるのは、「出来て当たり前なスペースがあるから。キャラバン同様に、ハイエースで机上研究進めましたって言っても出来て当然の空間ありますよね。

レイアウトパターンは、いくつか浮かびます。それもキャラバン同様。いずれ図面起こしますが、出来て当たり前なのでモチベーション案外上がりません。そこは読者の皆様も同様かと。

日産 キャラバン / いすゞ COMO

個人的にはコイツが大本命です。ハイエースは盗難遭いやすいとか、低級グレードの後部座席を上級並みにするオプションがない事から、コストと日常使いの両立はキャラバンの方がしやすいのです。(という意味では、COMOは選択肢から外れてしまいます。)

スペースはハイエース同様充分。レイアウトの自由度あり。予算許せばコイツかハイエース選べば満足度高いの確かですが、ですがね…金出せば良いもの選べるのは当たり前なのです。という意味ではハイエース同様に評価出来て当たり前。ベース車にコイツやハイエース選んだ時点で、読者の皆様から「そりゃコイツら選んだら出来て当たり前だろう」と言われるのは必至なのです。

NV200と同様のレイアウトも、軽バン軽ワゴンで一旦検討した縦方向左右にトイレスペースと二台ベッド並べるレイアウトも、ハイエース同様に可能です。

DXにGX系シートがつけられるという情報以外は、皆さまに新たな情報が提供出来ない車ではあります。

出来も悪くないようです。ディーゼルエンジンが新しくなった(実は三菱製)ものは乗ってませんので「伝聞調」で表現しましたが、悪いわけないですよね。安くないし。机上研究には向かない車ではあります。