「ライフライン」は、都市生活を維持するのに最低限必要な設備や機能のことです。
地震など災害時のニュースで良く出てくる言葉で、ライフラインの切断は通常の生活ができなくなることを意味します。
具体的な内容については国ごとの違いがあり、例えば日本では通信網を含めることが多い気がしますが、その国の整備状況によっては含めない場合もある気がします。整備状況によって「含める、含めない」が大きく変わりますし、人によっても捉えかたが異なるのが、ライフラインです。
ここではフードトラックやキャンピングカーをDIYする場合のライフラインについて考えていきます。
代表的なライフライン
電気
照明、空調、PCやスマホ、ドライヤー、冷蔵冷凍庫など、現代生活は電気の存在なしに成り立たないと思いますが、キャンピングカーやフードトラックをDIYする上では確保の難しいライフラインです。DIYする際には、以下のような設備が考えられます。
- ポータブル電源
- 車:サブバッテリー
- 発電機
- ガソリン・軽油の発電機
- カセットガスの発電機
- LPガスの発電機
- ソーラー発電
- 公共のインフラストラクチャーへの接続(コンセントへ接続して車内で電気が使える状態を実現)
ガス
調理や暖房など、都市生活に必要不可欠なライフラインです。公共のインフラストラクチャーから独立している状態が普通のフードトラックやキャンピングカーでは、LPボンベやカセットボンベからの供給を考えます。
- LPガス(プロパンガス)
- カセットボンベによる供給
- LPボンベによる供給(フードトラックでは小型のLPボンベとすることが多い)
都市ガス
(参考)ガス以外のエネルギー源
熱を発するエネルギー源としては、ガス以外にも以下のようなものが考えられます。
ガスと比べ取り扱いが難しく、DIYキャンピングカーのエネルギー源として検討する機会があるかと思いますが、DIYフードトラックのエネルギー源として考えることは稀です。
- 灯油などの油
- 炭
- 黒炭・白炭
- 豆炭
- 竹炭・オガ炭など
- 薪
上下水道
生活には欠かせない水。飲み水がないと生きていくことはできませんし、調理する際には大量の水が必要です。シャワーやトイレなど、衛生面でも水は貴重な役割を果たしますが、DIYでは確保の難しいライフラインです。
フードトラックにおける給排水については、考え方が結構難しいので専用のページを準備しています。
「フードトラックの給排水タンク」ページを参考にしてください。
キャンピングカーの場合は、給排水それぞれ10L以上用意すればよいです。給水と排水のサイズが一緒でなければならないなど、キッチンカーのような細かな規定はありません。
災害時を考慮する場合、飲料水と調理用水として「1人あたり1日3L」、給水車による緊急的な給水が準備されるまでにかかる期間「最低3日」を目安として考えると良いでしょう。(参照:農林水産省)
- ポリエチレンタンク(50L超のタンク)
- コダマ樹脂工業「タマローリー」
- スイコー「HLT」「SLT」
- Nuova Rade「Flexible Tanks」「Fixed Tanks」「Portable Tanks(主に燃料向けタンク?)」
- ポリエチレン・ポリカーボネートのタンク(~20Lのタンク)
- iwatani「ウォッシャブルタンク」
- アイリスオーヤマ「給水タンク 10L WAT-10L」「給水タンク 20L WAT-20L」
- ステンレスタンクやFRPタンク(既製品もあるが、車両空間に合わせてオーダーすることが多い)
- 浄水グッズ
- 携帯型浄水フィルター
- 浄水タブレット
- ストロー型浄水器
- SODIS(太陽熱消毒法)
- ポータブル逆浸透フィルター
- 長期保管可能な保存水
通信
電話、インターネットなどの通信は、特に非常時における命綱となります。安否確認や救援物資の手配などに重要な役割を果たします。登山の際に使われる衛星電話など選択肢も増えてきましたが、公共のインフラストラクチャーから独立している状態が普通のフードトラックやキャンピングカーでは、携帯電話・モバイルルーターが一般的な選択肢と思います。
- 携帯電話
- モバイルルーター
- 衛星電話
物流
災害時に、食料や水を運ぶ役割を担うのが物流です。「物流は経済の血液」とも呼ばれ、物流が機能しなくなれば、経済全体がストップすることにつながります。
フードトラックやキャンピングカーでは、車両そのものもライフラインの一部と考えられます。